あすかは真夜中水底なり

イスゥジオ

プールの授業を休んだ。


 今日休んだ理由は表向き生理にしてるけど、生理ではない。具合が悪いわけでもない。親からのハンコは毎回もらってないから今回の休む理由とは違う。


 プールの授業はもともと好きではない。まずプールの建物の周りに虫の死骸が落ちてい過ぎる。掃除の時間にプール周りは掃除しないからでしょ、多分。臭い更衣室で着替えなくちゃいけないの嫌い。タオルが筒状なのもなんかよく分からないし。タオルを天日干しするのも「?」って感じ(笑)。天日干しはあったかいからいいか、とも思うけどこれ天気悪いときもやるじゃん、「?」(笑)。


 性格悪い?どうでもいい? まあ、あなたがそう思うならどうぞ勝手に。




 とにかく今日はプールの授業は休んだ。休みたかったから。今日は私の機嫌がわるいから。プールの後の国語に眠っちゃうから。それはやだから。




 今日の見学は私一人だけだった。嫌でも見えるみんなの足やら身体やらは本当は見たくなかったから本を開く。水泳の見学って謎だ。多分、罰なんじゃないかな。お前って本当はサボりだもんな、とか、具合が悪いからって逃れられないぞ、みたいな魂胆を感じる。てことは、水泳も罰なのかな、逃れられないぞってことは。この段落のほとんどが私の思い込みなので、私の中では水泳も罰ってことかもしれない。




 「門前さん、本はやめておこうね」




 体育の木谷先生が優しく注意してくれる。


授業中のクラスメイト達は、今の注意なんて一切耳に入ってない。私の方なんか微塵も見なくて、自分の身体に水をかけて、水に馴染むことを楽しんでいるご様子だ。


先生も注意の一言だけで、そのあとは授業を受ける生徒に夢中だ、当たり前だが。じゃあ注意しないでほしかった。私の事なんか何でもいいくせに、私の行動を制限しないで。

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