「青春小説。」を含む小説

ページを捲るたびに、彼女の余命は近づいていく。 余命わずかな少女はその運命を笑って受け入れていた。 「死ぬまでの私を、ちゃんと書いてくださいね」 小説家を名乗るには、あまりに…

——その旋律は、ひとつひとつの音がまるで息をしているかのように丁寧だった。 生徒会役員の藤里莉乃は、生徒は日頃立ち入らない旧校舎に、所用で入っていた。 誰もいないはずの音楽室か…

snsに投稿した短編小説をまとめています。 140字の前編、後編になってます。 恋愛の一場面、幼なじみものが多め。 よかったらどうぞ。

「春と３ー２はこわれてしまえ」 　解体間近の市立千緑中学校、旧三年二組教室に残された謎のメッセージと、黒板に描かれた散りゆく桜。 　母校のお別れ会のイベントの一つ、母校へ向けた寄…

あらすじ 　中学二年生になった咲菜は大好きな合唱部に新入生が入ってくるのを心待ちにしていた。 　仮入部期間を経て八人入り、二十人以上になった合唱部。人数的にも今年の夏のコンクー…

　美術予備校に通う高校生のエマ（絵麻）は、描くことの意味を見失っていた。 ある日、彼氏の創太に誘われて訪れた美術館で、一枚の絵に心を奪われる。描かれていたのは――まっすぐにこちら…

高宮果穂は中学三年生。 成績も外見も、ごくごく平均的。凡庸を絵に描いたような人間だ。 けれど、家族はちょっとだけ変わっていたらしい。 少しずつそれが露呈し始めて、果穂はそんな家が…

「このままでは、龍が目覚める」 校庭の七つの祠に異変が起こった。それはいずれ「龍の目覚め」へと繋がり、この街を滅ぼす大災害へ繋がる―― 吾垂高校写真部の水橋　蓮は、部長のユキや…

日都月新菜は、中学一年生。新菜は、常に右手に手袋をはめている。その理由は、「新菜が右手（素手）で触れた物は一カ月前の状態に戻してしまうから」だった。幼い頃の経験により他人の物を修…

世界の果てに憧れた少年、平和来人。そんな彼がとある地方都市の寂れた公園、その中の廃屋で風鈴と名乗る少女と出会う。お互いの趣味を通じて仲を深めていたが、彼女の引っ越しによって別れは…

　神は死んだ――そう信じていた遊び人の大学生・水嶋蓮の人生が、フランスの古都シャルトルで劇的に変わる。 　研修旅行の真の目的は、友人たちとの「フランス女を落とす」という賭け。し…

母1人と1人の姉を持つ主人公の幕井竜二。 千葉県在住。 彼は幼い頃からサッカーをしていて、中学時代で強豪のサッカークラブにセレクションで合格し、入団するが、チームに馴染めず、周り…

主人公田中京子は明るく元気な中学二年生。小さな頃からおしゃれが大好きで、本当はずっとファッションデザイナーになりたいけれど、不器用で縫い物ができないので、その夢を隠している。クラ…

人生に失敗し、社会から見捨てられた青年。そして、安楽死寸前の暴れ馬。 孤独を抱えた二つの魂は、互いに希望の光を見出し、世界最高峰のレース「凱旋門賞」を目指す。 血統至上主義と…

誰の人生にも、一度は「忘れられない人」がいる。 心の奥にそっと残った灯を、時の流れがやがて「思い出」へと変える。 塾という日常の片隅で出会った教師と生徒。 笑い合い、励まし合い、…

囲碁の甲子園を経て、プロ棋士となった古賀光志。 「楽しい碁」と「勝つ碁」のはざまで、彼は迷い、もがきながらも成長していく。 一方、帰国した林玥（ユエ）も中国代表の一員として厳しい…

先月、氷室冴子先生の名作にして未完の大作「銀の海　金の大地」①～⑪巻を再読したら深く傷ついたので、この情緒的ビッグウェーヴに乗るっきゃないかんじで中二的なお気持ちを語ります。 …

死んでしまった高校の同級生を忘れられない「僕」は思考という無限の迷宮に迷い込む。 ──ふとした時に、あの人は今どうしているだろうかとか、思い出のあの場所は今どんな風になっている…

「陰キャは、喋らない。でも、韻は踏む。」 町田の片隅、誰にも見向きされなかった少女が、マイクを握ることで世界を変えていく。 ラップ、友情、トラウマ、自己表現―― 無口で目立た…