ラブコメいくつ詰め込める?【140字小説集】

花月夜れん

「おはようのチュー」


「おはようっ!!かーらーの、おはようのちゅー!!」隣に住む幼なじみ男子に突撃する。「いや、ないから」いつものように軽くあしらわれる。「ちぇっ」今日もダメだった。だけど私はあきらめない。「おはようのチューは俺からする約束だろ」今日も彼にされてしまった。たまには私からしたいのになぁ。



母さんが朝から頬を染め、にこにこだ。お熱いねぇ。無口な父さんの愛情表現はおはようのチュー。まったくもう。今日も全然隠れてないぞ。幸せそうな二人を見て俺は思う。何度幼なじみ女子が突撃してこようともおはようのチューをするのは俺だ。照れて赤くなるその顔を見るのが嬉しくて仕方がないんだ。

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