概要
失った半身の想いを繋ぐ。
桐生昴は、ずっと片想いしていた同級生・寿美桜と念願かなって付き合い始め絶頂であった。ある朝、切なさに引き裂かれるような夢を見て目を覚ますと――いつの間にか自分が美桜になっていた。
鏡の中の顔は、俺が恋した完璧な女子のもの。声も所作も、周囲の見る目さえもすべてが別人だ。記憶は昴のまま残るのに、体は美桜。なぜそうなったのかはわからない。
理由のわからないまま、俺は「美桜のふり」をして日常をつないでいくしかなかった。制服のスカート、友達の視線、誰もが期待する笑顔。元に戻ることはできるのか、いつまでこの役を演じ続けられるのか。だが、それだけが問題ではなかった。
昴としての日常は消えていない。教室には、かつての「俺」が、確かにそこにいる――昴として生きるもう一つの存在。恋していた相手の身体に入り、同じ
鏡の中の顔は、俺が恋した完璧な女子のもの。声も所作も、周囲の見る目さえもすべてが別人だ。記憶は昴のまま残るのに、体は美桜。なぜそうなったのかはわからない。
理由のわからないまま、俺は「美桜のふり」をして日常をつないでいくしかなかった。制服のスカート、友達の視線、誰もが期待する笑顔。元に戻ることはできるのか、いつまでこの役を演じ続けられるのか。だが、それだけが問題ではなかった。
昴としての日常は消えていない。教室には、かつての「俺」が、確かにそこにいる――昴として生きるもう一つの存在。恋していた相手の身体に入り、同じ
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