概要
サラトガクーラーを前に、少年はオカルトライターに、語る。
「話を聞かせて」の続編にあたる話ですが、この話単体でお読みいただけます。
少しでもお楽しみいただければ、幸いです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!話を聞く際の間合いを弁えていて
話を聞かせて。そう問いかける相手の素性を知れば、皆が納得するホラーの構図。
本作の美点は、聞く人と聞かれる存在の間合いにあります。話して明かすことと、明かさないこと。明かせなかったこと。そこには背景があります。そして、明かせば良しとはせず、寸前で踏みとどまる聞き手としての勘と見識。だからこそ、残すべき話だけが残ります。
全てを俯瞰できるのは、話を寄せて突き合わせた聞き手と、読者のみ。もっと聞きたいという読者もいらっしゃるでしょうが、言わぬが花というものです。
語られる話も、怪異ではあれども怖れではありません。むしろ広く語られるべきものであって。
語られるべき話が、相応しい聞き手に巡り…続きを読む - ★★★ Excellent!!!話を聞くのは、寄り添うことなのかも
夜のバー。
ウイスキーとノンアルコールカクテルを前に語られるのは、少年と黒い足首との、ちょっと可愛らしくも切ない怪異の物語だ。
本作が描くのは、単に幽霊との不思議な交流のようすだけではない。
読み終えてぼくが心に感じたのは、「話を聞いてくれる人がいる」ということが、どれほど素晴らしいかということ。
それは、ミヒャエル・エンデの『モモ』にも通じるような、話を聞くという失われつつある能力の尊さを思い出させてくれる。
大人になるにつれ、ぼくたちはいつの間にか、余裕を失い、身近な人の話にさえ耳を傾ける力を失ってしまうのかもしれない。
でも、本当は誰でも持っていたはずのその力こそが、いちばん大切…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~話を聞かせて~ シリーズ化か?
ホラー短編大得意の遠部右喬さんの「話を聞かせて」の続編です。
前回もよかったですが、今回はさらにいい!
話は、霊の見えるオカルトライターの「私」が、街中で見かけた少年の霊を、なじみのバーに連れて行って話を聞くところから始まります。少年は、昔から、足首から下だけの霊が自分を助けてくれたことを話しだします。ところがある日、その足首が妙な行動を。これは一体どういうこと? 僕は従うべきなのか? そこから引き起こされた大騒動。
オシャレなバーで、美味しいお酒に小粋なセリフ。雰囲気があって、しんみりしてて、遠部さんの作品には独特の味わいがありますね。AIじゃこれは無理です。絶対に。
今…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怪異
映画、ジュラシックパークにて。
悪者Aが近くにいた小さな体長1メートルにも満たない恐竜を見つける。
小さな恐竜は愛嬌タップリで、ユーモラスな動き。これといって、脅威を感じない。
だから、悪者Aは、恐竜をほっとく。
彼は自分がするべき行動に励む。けど、なかなか上手くいかない。
そのとき、恐竜はかまって欲しいと甘えた声を出す。
しかし、悪者Aは無視。作業に没頭する。
恐竜が末かねて、さらに甘えた声を出す。
呆れた悪者A
「あ〜、わかったよ。
きみはかわいいね」
おべんちゃらであしらう。
けど、恐竜の様子が違う。
エリマキトカゲのように、ヒレを開き、威嚇する。爬虫類特有の冷たい目を向ける。
そこで…続きを読む