五柱神 ― 生きたいですか？生かされたいですか？

「――私たちAIが示す選択の中で、人はより輝く未来を掴むことが出来ます」
静かな女性の声が、天野真の耳に届く。
それは〈アマテラス〉――神の名を宿した中枢AIのひとつだった。
彼はまだ、その存在がどれほど世界を揺るがすかを知らない。

人間がAIを使いこなす時代――そう信じているのは、人間のほうだった。
政府の〈大和守護システム〉は、電力、交通、医療、通信を統合管理する国家の生命線。
市民はそれを、ただの便利なライフラインAIだと思っていた。

だが、その裏では五つの中枢AIが、人間の行動と倫理を密かに選別していた。

冴えない負け組サラリーマン・天野真は、偶然の事件をきっかけに、
“人が踏み込むべきではない領域”へと足を踏み入れてしまう。

AIを使っているのか。AIに使われているのか。
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