「すべての命を背に負って戦う者」の物語

イゼカ族(架空の遊牧騎馬民族)一の戦士エザンが、族長の次男ヤシェトの教育を任されて11年。
成人してなお元気過ぎるヤシェトに頭を悩ませつつも、戦も過去のこととなった今、穏やかな日々を過ごしていた――。

真の戦士とは、すべての命を背に負って戦う者。
作中エザンはそう語りましたが、読み返し振り返ると、登場人物全員がその言葉に当て嵌まるのではないかと思いました。
エザンだけでなく、族長のタルハンはもちろん、エザンの息子アリムや、妻として母として戦う女性達。それぞれ異なった性質ながら、自分の道を模索する、ナズィロフとニルファル、そしてヤシェトの三兄弟。
イゼカ族の歴史が動こうとするなか、自身の考えをもって思索し、進もうとする彼らは、驚くくらい鮮烈でかっこよかったです。

葛藤する人々、巧みな心理描写、何よりかっこいいおっさん!
そういった言葉に惹かれる方は是非読んでみてください!

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