頑固な少女騎士と、世慣れた少年。二人は出会い、陰謀に立ち向かう。

 緊迫感あふれる戦闘、そして一本芯の通った主人公が魅力的な作品。
 主人公リィンは、泰平の世にあって様変わりしつつある「騎士」という存在に疑問を抱き、旧来の騎士道精神を貫かんとする女性騎士。過激的すぎるきらいはありますが、自分の意志を曲げない芯の強さに好感が持てます。
 そんなリィンの相棒ともいうべき存在、カラン少年もいい味が出ています。ぶっきらぼうでどこか達観したところのあるこの少年が、リィンに「デレる」ときはくるのでしょうか。
 また、上述のとおり戦闘シーンにはスピード感と迫力があります。主人公は特殊な能力を持つ剣士でありますが、能力にも欠点と限界があり、いつも楽勝というわけではありません。特に、十三章以降のエピソードでは、生きるか死ぬかの緊迫した場面の連続に、思わず手に汗握ります。
 本レビュー執筆時点で、ストーリーは、まさに佳境に差し掛かったところと言っていいでしょう。続きが楽しみでなりません。 

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