概要
年若い見習い騎士に与えられたのは、領主の子を宿した娼婦の護衛だった。戦渦に巻き込まれる前に、果たして騎士クライフは娼婦とその仲間たちを守り切り、無事に領都までたどり着けるのであろうか。並居る敵を前に、異国の老人が使う『剣術』を修めた彼は縦横無尽の戦いに身を投じる。
■第二章~(連載中)■
良きものも悪きものも引き寄せてしまう強い力を持った末姫エレア。彼女の元に、一人の剣士が訪れます。彼の名はクライフ=バンディエール。落葉の剣士は、果たしてエレアの、かつての女王にまつわる因習因縁の謎を断ち切ることができるであろうか。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!若き剣士の骨太ファンタジー時代劇、開幕!
いやあ、これはすごいですよ。何がすごいと言って、
1.剣戟がすごい!
著者は剣術を学んでいるようで、剣戟描写の芯のところは剣術の雰囲気があります。相手の思惑を外し、逸し、ときには受けて致命の剣を届かせる!「奥義は技ではなく、目に見えぬもの」とは作中のセリフですが、まさにそのとおりの駆け引きが熱い!剣vs剣だけでなく、大鎚との対決などもあり、とにかく素晴らしいファンタジー剣戟が楽しめます。
2.構成が豪華ですごい!
まず最初の章、妊婦を含む娼婦たちを連れて、精強な傭兵団を向こうに回しての逃亡劇。今まで人を斬ったこともない若い主人公が剣1本で立ち向かう!縁もゆかりもない娼婦たちのために死地…続きを読む - ★★★ Excellent!!!バトルシーンをバトルシーンだけで勝負できる傑作
小説における「戦い」というのはアニメや漫画のそれとちがって、視覚に訴えることは難しいので、どうしても内容で勝負ということになる。
そのため、多くのバトル小説、アクション小説では、この問題は戦う人間の背景で生まれるドラマで生まれた伏線の回収として解決を試みられることが多い。「もう許さん!」とか「貴様はあの時の!」という形で描かれるアレである。言い方を変えれば、そういう方法をとらないと小説という媒体では戦いというのはなかなか盛り上げにくいものである。
鳳雛の騎士も、上記のような方針でバトルシーンは盛り上げられている。しかしこの小説が他と違うところは、加えてチャンバラの微妙な機微を懇切丁寧に書い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魔法も幻想も皆無!
領主の子を孕んだ娼婦を助け出すため、一人の騎士が辺境の街へ派遣される。
冒頭読んで、てっきり老練な騎士が赴くのかと思ったら、派遣される騎士は、昨日まで見習いだったひよっ子の新人騎士。ただし、腕は確かだ。とはいえそこはいろいろと経験不足。
折しも辺境の街は隣国の侵略を受け、敵の凄腕傭兵団が攻め込んでいる。その包囲網の中を突破する騎士と女性五人。女性の中には妊婦や子供や娼婦や処女、母が含まれる。つまり婆ちゃん以外のすべての女性だ。それを守るは序列最下位の騎士一人。
とにかく幾重にも張り巡らさせた危機が半端ない。敵の傭兵団は攻めてくるし、領主の子を孕んだ娼婦は味方からも狙われる存在。地理的…続きを読む - ★★★ Excellent!!!文面から巻き起こる刃風が、剣戟の声が、読者の胸を熱く打つ!
むせかえるような血や鉄の臭いさえ感じさせるほどのアクション描写と、息もつかせぬ怒涛のストーリー展開。それに、登場人物たちの葛藤が絡み合い、ひとつの大きな物語が紡がれる――傑作冒険活劇と呼ぶにふさわしい一作です。
戦火の迫る街から、領主の妾である娼婦を連れて脱出せよ――序列下位の騎士クライフが、領主直々の特命を受けたことから物語は始まります。
一見簡単そうにも見えるこの任務ですが、そこにはすさまじいまでの困難が待ち受けていました。
政治的な意図が複雑に絡み、クライフと護衛対象たる娼婦たちが置かれるのは、作者様のキャッチコピーにあるとおり、自分たち以外「総て敵」という状況。
主君から…続きを読む