緊迫感あふれる戦闘、そして一本芯の通った主人公が魅力的な作品。
主人公リィンは、泰平の世にあって様変わりしつつある「騎士」という存在に疑問を抱き、旧来の騎士道精神を貫かんとする女性騎士。過激的すぎるきらいはありますが、自分の意志を曲げない芯の強さに好感が持てます。
そんなリィンの相棒ともいうべき存在、カラン少年もいい味が出ています。ぶっきらぼうでどこか達観したところのあるこの少年が、リィンに「デレる」ときはくるのでしょうか。
また、上述のとおり戦闘シーンにはスピード感と迫力があります。主人公は特殊な能力を持つ剣士でありますが、能力にも欠点と限界があり、いつも楽勝というわけではありません。特に、十三章以降のエピソードでは、生きるか死ぬかの緊迫した場面の連続に、思わず手に汗握ります。
本レビュー執筆時点で、ストーリーは、まさに佳境に差し掛かったところと言っていいでしょう。続きが楽しみでなりません。
不器用ながらも真っすぐな主人公のキャラクターがとにかくいい!
どこか時代小説を思わせるような世界観も魅力的。冒頭、麺屋での乱闘シーンなんか、もうニヤニヤしてしまうくらいでした。
短めの文を畳みかけるような歯切れのよい文体で、描写に過不足がなくリズム良し。読み進めるにつれて癖になる文章だと思います。
まだ話数がさほど進んでおらず、話に区切りはついていませんが、個人的にとても好きな作風なので、今後の展開に期待して暫定的に☆評価です。ファンタジーはもちろん、時代小説や武侠小説などのジャンルが好きな読者には特にお薦めします。
次話の掲載が楽しみです!
※2016/4/5追記
現時点での最新話までを読了、☆☆に評価し直しました。
※2016/4/7追記
一応の完結につき、☆☆☆に評価し直しました。
次話に期待しています!