少年少女は、緋く彩られた運命と向き合う!

真っ直ぐでありつつも荒々しい裏の人格を宿した少年に、医者の卵のインテリ少女。危なっかしい2人を支えるのは、優しく情に厚い友人たち。そうした男女4人が青春の日々を過ごしていたところに、巨大な組織が巻き起こす不可解な事件の影がちらつく。

こうしたあらすじだけ見れば、高校生たちの青春ライトミステリーを連想するかもしれません。しかし文章はかなり硬派。ライト層とは一線を画す重厚かつ精緻な文体だと思います。


世界の描き方も非常にリアリスティックで、語られる内容の知識レベルかなり高め。作者様の医療知識に裏打ちされた描写は完成度が高く、安っぽさなんてどこにもない。そして、そうした文章にありがちな「とっつきにくさ」がない点が特に素晴らしいと思います。説明がうまいから情報が頭に入ってきやすいのです。

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