概要
団地の怖さは、住んだ者しか分からない。
両親が離婚した。これを機に、由美子は妹の真子と団地で新生活を始める。
が、
部屋の中を転がるボール。
部屋を徘徊する黒い影。
部屋に散らばる謎の原稿。
自分たち以外に誰か、居る。
家族とは。絆とは。
「お母さん、ありがとう……」
由美子は、家族の中に戻れるのだろうか?
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- ★★★ Excellent!!!団地に入居した姉妹を待ち受けるものは……。
両親の離婚によって、とある団地に住むことになった真子・由美子の二人の姉妹。
広さのわりには大変家賃が安いその部屋は、かつて火事でとある一家全員が焼死したいわくつきの部屋でした……。
いざ入居して見れば、部屋の中を転がる赤いボール、空き部屋のはずの上の部屋から聞こえる子供の足音、浴槽の曇りガラスの向こうに佇む黒い人影……と次々に起こる不気味な出来事が丁寧な筆致で描写されており、これだけでも充分に怖い!
しかし、本作でさらに恐ろしいのは、この部屋ばかりではなくここに住むことになった真子と由美子にも一筋縄ではいかない事情が存在するということ。
このワケありな部屋とワケあり姉妹が交わることでこ…続きを読む