～7B/2048～

農業村に生まれ、農業村で育ち、穏やかで幸福な日々を送っていた少女・ドフヤ。
緑に包まれたこの小さな村こそが、彼女にとっての世界だった。彼女は、この場所で一生を過ごすものと信じていた。
ある日、初潮を迎えた彼女は「大人」となり、人生は次の段階へと進む。夫を選び、結婚し、子を産む──そんな未来が待っているはずだった。
しかし、彼女がどの男性を夫に選ぶべきか迷っていたその時、「災厄」が訪れる。死の風が彼女の世界を吹き抜け、数多くの知人たちの命を奪った。
それをきっかけに、彼女は考え始める。
災厄とは何なのか？　なぜ数年ごとに繰り返されるのか？
なぜ災厄は人間だけを殺し、他の生き物の命は奪わないのか？
答えを知るためには、この小さな村を出て、「外の世界」へ向かわなければならない。
だが彼女はまだ知ら…続きを読む