第1話のキャラクタークリエイト描写が最高に愛おしい。幼い頃にアニメで見た魔法使いに憧れ、「火の熱さや氷の冷たさまで再現されるフルダイブVRMMO」という情報にときめき、ついにIOOを購入した主人公・夢野真穂。その興奮がそのまま文章に乗り移っている。
目元を少し大きくして目じりを鋭くした美少女キャラを作り上げ、「自画自賛になるな」と自制する可愛らしい自意識。装備の細かい設定にチェックを入れてしまい「項目多すぎ!!」とひとり突っ込む場面も、このゲームへの本気度と無邪気さが滲んでいる。
何よりも笑えるのが、名前で一時間悩んだ末に「マホン・レーヴフィールド」というほぼ本名ベースの安直ネーミングに着地するオチだ。それでも「魔本っぽいから少しある」と自己肯定するたくましさが最高。「ここから私のIOOライフが始まるんだ」という結びが清々しく、続きを読みたくなる完璧な第1話だ。