概要
俺はなぜ人を殺したのか。直子を傷つけられたことが許せなかったのか。
1983年、大学で映画を撮っていた俺は、垢抜けないが清楚で純真な直子に恋をする。キスさえしない二人は、小さな家で暮らす夢を見るが、俺は運命に弄ばれ 人を殺めてしまう。14年の懲役のあと、俺は直子を探すが・・・。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!時を隔てた運命の物語に引き込まれます
「誰にでも、忘れられない異性が一人はいるだろう」という力強い一文から、主人公の抗えない運命と波乱の人生が静かに語られます。
物語の魅力は、14年の服役から出所し「浦島太郎」状態の主人公を通して描かれる平成の風景と、映画製作に熱中した学生時代(昭和)の回想が交互に展開される構成です。PHSやレンタルビデオに戸惑う姿は、14年間の空白の重みを感じさせます。
過去の回想では、映画監督を目指した情熱的な日々や、直子との運命的な出会いが描かれます。直子は主人公にとって「天使のよう」な存在であり、彼女への想いが物語全体を支配しています。
一方で、主人公は14年前に犯したカメラマン殺害という重い罪を…続きを読む