概要
殺戮人形として育てられた呪術師は、癒しの巫女の愛を乞う
没落華族であり、痛みを和らげる「癒しの力」を持つ巫女、志乃。父が作った借金の形に売り飛ばされそうになったところ、呪殺を生業とする呪術師の男に救われる。
白いざんぎり頭、血色の感じられない無表情な顔。はだけた着流しの襟元からは、包帯まみれの体がのぞく。
そして特徴的なのは、左右異なる色の瞳——。
「お前を嫁に貰い受けにきた」
彼は亡き志乃の母と、一年を刻限とする志乃との結婚契約を結んでいた。
呪詛返しによって四肢を切断され、右目を抉り取られたという彼は、式を補装具として使い体を動かしている。呪に命を蝕ばれつつあった彼は、想像を絶する痛みと夜毎闘っていた。
「手を握って、そばにいてくれ」
衣食住の対価として志乃に命じられたのは、眠る間咲夜の手を握ること。
一年の刻限は、彼の命が尽き
白いざんぎり頭、血色の感じられない無表情な顔。はだけた着流しの襟元からは、包帯まみれの体がのぞく。
そして特徴的なのは、左右異なる色の瞳——。
「お前を嫁に貰い受けにきた」
彼は亡き志乃の母と、一年を刻限とする志乃との結婚契約を結んでいた。
呪詛返しによって四肢を切断され、右目を抉り取られたという彼は、式を補装具として使い体を動かしている。呪に命を蝕ばれつつあった彼は、想像を絶する痛みと夜毎闘っていた。
「手を握って、そばにいてくれ」
衣食住の対価として志乃に命じられたのは、眠る間咲夜の手を握ること。
一年の刻限は、彼の命が尽き
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!殺戮人形はぬくもりを知っていく
癒しの力を持つ主人公、志乃の前に現れた人形のように血色のない青年。呪い返しを受けて想像絶する痛みを抱える彼を癒すために一年だけの契約結婚を決める志乃であったが──
凄惨な導入からの、ヒーロー咲夜さんの状態は結構深刻。
なにせ四肢と右目は虚構。絶望の果てに死ぬための痛みだけを受け続けている。
そんな咲夜さんからすると主人公の志乃さんはとてもぬくもりある存在に思えます。
痛みを取り除かれた咲夜さんは少しずつ志乃さんの温かさに触れていき、思わぬ一面も見せてくれるようになりました。
悲しくて凄惨な事件の合間の二人のやりとりは甘く、ほっとします。
ただ失われた身体を取り戻すだけではなく、人間らし…続きを読む