概要
しかし、この没落貴族の娘、かなり、おもしろい
平安の世、没落貴族の娘・星子は、二年間の契約結婚を持ちかけられる。夫となる陰陽師・賀茂不知火は冷たく距離を置くが、星子には「幽世の巫女」としての血が流れていた。京に蔓延するあやかしの脅威を封じるため、不知火と共に、あやかしの通い路を探し出すことになる。そんな中、関白に寵愛される美しき舞手・霞若があやかしに取り憑かれた存在だと判明し、星子は彼の真の名を呼び覚ますため、ある和歌を詠じる。偽りの契約から始まった関係が、本物の愛へと変わるのか。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!和風ファンタジーとしても恋愛小説としても素晴らしい作品
主人公の明原星子――没落貴族である彼女に、ある日、結婚の話が舞い込んでくる。
相手は陰陽師の加茂不知火。
彼は美男子だが、どこか厭世的な雰囲気を纏っていた。
星子は母の乳母をしていた松江に強く反対されたので、結婚の話を断りに行くのだが、そこで加茂家の当主に、結婚と言っても二年間の契約結婚で、その後は自由に生きていいという旨を告げられる。
松江はそれを聞くと、態度を変え、二人は結婚をすることになった。
そして初夜の日を迎えるのだが、そこで星子は不知火に「この婚礼は心を交わすものではなく、決して床も共にしない」
という内容の話をされてしまう……。
このように、前途多難…続きを読む - ★★★ Excellent!!!利用目的の結婚、「笑うな」と云われた花嫁が
少女向けの陰陽師もの。
没落した貴族の家の娘がそのふしぎな力を乞われて「二年」という期間限定で嫁いだ先にいたのは、若き陰陽師。
心を交わすことも、床を共にすることもないと云われ、さらには、
「笑うな」
夫となった不知火から厳命されてしまった、星子。
不知火が星子を迎えたのは星子が秘めている巫女の力を求めてのことだった。
ひらがなしか読めず、傾いた家を助けるために野菜を育てて売っていた荒れた手をはずかしいと思いながらも、星子は帝のためにはたらく不知火の力になろうと決意する。
出来ることは庭に大根を植えること。
「そういうことはしなくてよろしい」
つれない態度の不知火…続きを読む