殺戮人形はぬくもりを知っていく

癒しの力を持つ主人公、志乃の前に現れた人形のように血色のない青年。呪い返しを受けて想像絶する痛みを抱える彼を癒すために一年だけの契約結婚を決める志乃であったが──


凄惨な導入からの、ヒーロー咲夜さんの状態は結構深刻。
なにせ四肢と右目は虚構。絶望の果てに死ぬための痛みだけを受け続けている。
そんな咲夜さんからすると主人公の志乃さんはとてもぬくもりある存在に思えます。
痛みを取り除かれた咲夜さんは少しずつ志乃さんの温かさに触れていき、思わぬ一面も見せてくれるようになりました。
悲しくて凄惨な事件の合間の二人のやりとりは甘く、ほっとします。

ただ失われた身体を取り戻すだけではなく、人間らしい心も同時に取り戻していくような予感を感じさせる物語。癒されているのは決して痛みだけではない。すべての身体を取り戻したとき待つ二人の結末が気になります。
現時点で第二章まで。殺伐で甘い恋愛がお好きな方におすすめです！続きも応援しています！