見えなくても、見ないふりをしても、そこに在る。

オカルト好きな幼馴染のみのりに強引にオカルトクラブに入部させられた主人公朔夜。
図書室で出会った不思議な陽先輩やみのりの弟、優羽とともに、学園ホラーの謎に取り込まれていきますが、どうもこの学校も町も様子がおかしくて──

都市伝説や七不思議、学園青春ホラーがテーマの今作。
人ならざる者が見える朔夜は最初、彼らのことをある事情で見えないふりをしていますが、怪異に襲われたり、協力したり、助け合ったりするうちに、彼らの存在を認め直していきます。
裏側と呼ばれる異界の世界。現実に満足していない人たちを取り込む世界は友達へ会いたい気持ちや恋の嫉妬、同級生への妬みだったり、青春期ならだれにでもある感情をきっかけに存在ごと取り込まれてしまうのが恐ろしい。
恨みやお呪い、禍いのような〝闇〟は見ないふりをしても確かに存在する。
けれど、みのりの労りや優羽の恋心、忘れられた〝神様〟の大切な約束のような〝光〟も見えなくても、ちゃんとそこに〝在る〟
そんな神と人の怖さも温かさも感じる、青春ホラーでした!

ほんのりブロマンス、学園ホラー、神様好きにおすすめです!

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