オカルト好きな幼馴染のみのりに強引にオカルトクラブに入部させられた主人公朔夜。
図書室で出会った不思議な陽先輩やみのりの弟、優羽とともに、学園ホラーの謎に取り込まれていきますが、どうもこの学校も町も様子がおかしくて──
都市伝説や七不思議、学園青春ホラーがテーマの今作。
人ならざる者が見える朔夜は最初、彼らのことをある事情で見えないふりをしていますが、怪異に襲われたり、協力したり、助け合ったりするうちに、彼らの存在を認め直していきます。
裏側と呼ばれる異界の世界。現実に満足していない人たちを取り込む世界は友達へ会いたい気持ちや恋の嫉妬、同級生への妬みだったり、青春期ならだれにでもある感情をきっかけに存在ごと取り込まれてしまうのが恐ろしい。
恨みやお呪い、禍いのような〝闇〟は見ないふりをしても確かに存在する。
けれど、みのりの労りや優羽の恋心、忘れられた〝神様〟の大切な約束のような〝光〟も見えなくても、ちゃんとそこに〝在る〟
そんな神と人の怖さも温かさも感じる、青春ホラーでした!
ほんのりブロマンス、学園ホラー、神様好きにおすすめです!
■こんな方におすすめ
☑ 怖いだけのホラーには心惹かれない方
☑ 人の心の間(あわい)に生じる陰翳を物語に求める方
☑ 物語にブロマンス・BL要素があると嬉しい方
☑ 描写の「余白」を楽しみたい方
■あらすじ
「夜鳴町探索クラブ」。――所謂オカルト探求部である。
幼馴染みで同級生のみのりに言いくるめられ、
「怪異など存在しない」ことを証明すべく渋々入部した朔夜。
そこで、『依頼箱』に寄せられた学校のとある“噂”を調査し始めるのだったが……?
さくさく読めて、じんわり残る全67話。
謎と恐怖が交錯する――放課後オカルト青春譚です。
■おすすめポイント
(1)主人公・朔夜をめぐる人々
「怪異など存在しない」と口では言いながら、その実“視える”朔夜。
そんな彼に、人も怪異も引き寄せられてしまうようで。
彼を中心に、どんな怪異に出くわし、誰とどのように関わっていくのか――必見です。
(2)描かれるホラーの「恐ろしさ」
本作で描かれる「こわさ」は、反射的に「怖い」と浮かぶ感情ではありません。
じわじわと身に迫り、胸の奥に沈殿する「恐ろしい」という感覚。
怪異そのものの存在感よりも、そこに触れた時の人の心の揺らぎや、隙間に生じる陰翳にこそ真の恐怖が宿っている――そんな実感を与えてくれます。
(3)余白の妙
本作最大の魅力は、「曖昧さ」と「陰翳」にあります。
描写はもとより、ラストも、余白が多い結末となっています。
その余白の妙によって、物語が閉じたあとにも「黄昏空の向こうに彼らの日々は続いている」――そんな思いを抱かせてくれます。
読後に残るのは、恐ろしさばかりではなく、
――「誰かと肩を並べた放課後の記憶」に似た、淡く切ない感覚かもしれません。
本作は筆者の柚月なぎさまが一夏かけて執筆された学園ホラーです。
ホラーと青春を巧みに合わせた作品です。
夜鳴町で噂される奇妙な事件に中学生達が挑みます。
主人公の朔夜はとある事情で「オカルト」から距離を置きたい中学生。そんな彼が幼馴染のみのりにオカルトの世界に引き入れられ、関わることに……。
彼がなぜオカルトから距離を置きたがっているのか、そして、オカルトの世界に入り彼がどのような体験をするのか、夜鳴町で起こる奇妙な事件の数々がどのような決着を迎えるのか…作品の中に引き込まれる要素がたくさんあります。
ホラーの怖さも「怖いけど怖すぎない」というちょうど良い塩梅。青春とホラーを一挙に楽しみたい方におすすめです⭐︎
朔夜の幼なじみ、三枝みのりはオカルト部を作りたい。彼女の勧誘を断り切れず、 朔夜は『夜鳴町探索クラブ 』というオカルト探求クラブに入った。
そんな朔夜には人には言えない悩みがあり、そのせいでクラブ活動に積極的になれない。しかし、依頼箱に寄せられる奇妙なうわさを調べたり、不思議な雰囲気をまとった日上陽に出会ううち、朔夜はどんどんと奇妙な現象に関わることになり――
小説概要に『七不思議、幽霊、神隠しや超常現象など』とあるとおり、色々な不思議な事件が起こり、主人公たちはそれらを解決していきます。いくつもの奇妙な事件が用意されていて、ホラーの短編集をつぎつぎ読んでる感覚で読める飽きのこない構成でした。
キャラクターの人間関係も面白いです。
男の子たちがお互いを意識しあうBLっぽい雰囲気を醸しだすなか、紅一点のみのりは、その複雑な男の子たちの関係の外にいて、オカルトのことしか考えていません。でも、彼女がそんな『ただのオカルトオタク』の立ち位置だからこそ、物語が進んでいく面が確実にありました。
それぞれが少しずつ噛み合っていない。だからこその絶妙な人間関係のバランスも本作の見どころだと思います。
BLやブロマンス感のある学園ホラーが読みたい人に、特におススメの一作です☆