概要
はずだった。
突如として繰り返し始めた四月十三日。夢の中で現れる、腹部をなくし代わりに歯車を与えられた見知らぬ少女。歯車の少女を〝芸術品〟と語る「何か」。
壊れていく思考。壊れていく人々。壊れていく世界。
――隠されていた真実が明かされたとき、
彼女は深く、絶望する。
*「角川学園ミステリー&ホラー小説コンテスト【ナツガタリ'25】(学園ホラー部門)」への応募作品です。全26話、毎日17:39に更新されます。
*残酷描写(流血等)を多く含みます。また、この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!回る歯車、あふれる血だまり、切ない恋心。怖くて美しいループ百合ホラー!
高校二年生になったばかりの川相弥歌はある日4月13日がループしていることに気付きます。
親友の成花やオカルト部の先輩に相談してどうにか状況を抜け出そうともがいていきますが──
ループものというと、なにか衝撃的な事件がトリガーになって開始されることが多いですが、この物語の冒頭にそういうきっかけらしいきっかけがありません(怖い夢は出てきますけど…)
なので、主人公も読者もただただ崩壊していく世界に困惑と怖れを抱いてしまいます。
けれど、読み進めていくとこの物語にはなにか覆われた謎があって、それを解き明かすことは果たしていいことなのかという不穏感が節々ににじみ出てきます。
怖いけど、真実が気にな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!繰り返す4月13日。どうして4月13日なのか。
正常だった4月13日から、延々と繰り返す4月13日へ。
誰もそのことに気付かず、繰り返される4月13日を毎日過ごしています。気付いているのは、弥歌だけ。
それも、ただ繰り返しているだけではありません。4月13日が来るたびに、少しずつ変化が起きているのです。
でも、誰も何も言いません。
繰り返していることに気付いている弥歌以外の者達にとっては「変わらない日常」に過ぎないからです。
腕がなくなっていても、頭から血を流していても。弥歌以外の人達は、痛がる素振りを見せることなく笑っています。
これは、世界が狂い始めてしまったのでしょうか。
それとも、弥歌自身が狂い始めてしまったのでしょうか。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この圧倒的な孤独と絶望。狂っているのは『私』か、それとも『世界』の方か
読む手が止まらない。まさにその言葉がぴったりです。
高校生の弥歌は、ある時に同じ「4月13日」がループし始めた状況に陥る。もちろん、「その事態」を記憶しているのは自分だけ。
親友の成花に相談するも、やはり次のループ時には彼女の記憶からは異変について話したことは完全に消え去っている。
そして、弥歌の前に姿を現す謎の存在。
不気味な高笑いをし、少女を「芸術品」として改造する。弥歌は一人の少女が「歯車」に改造され、ずっと何かの装置として稼働させられているのを見る。
このループの正体はなんなのか。そして、歯車に改造された少女「のの」は何者なのか。
弥歌の記憶からは消えているが、彼…続きを読む