第6話世界恐慌に巻き込まれた日本

「ちょっと待って。」

白衣のポケットから白いハンカチを取り出し、勇二の項にあてがった。

 桜の花弁が、はらはらと舞い散り八代の頭髪にも一枚、二枚と花弁が留まっていた。


1914年に勃発した第一次世界大戦に沸く日本は軍需産業成功で成金が生まれ大戦景気の中、この世の春を謳歌していた。


 しかし終戦後にパリで講和条約が結ばれると、ヨーロッパ諸国はアジアへ進出を始め日本が独占をしていた市場を一気に奪って行ったから1920年から戦後恐慌が始まり1923年には10万人の命を奪った関東大震災が発生して、震災恐慌となりさらに1929年、ニューヨークで起こった株価大暴落、ウォール街で為の大暴落に始まる世界恐慌が重なりアメリカとの貿易が遮断された為、東南アジアへ矛先を変えたが、ヨーロッパ諸国がこれを拒否したため日本は孤立してしまった。

 追い込まれた日本は自力で領土を確保し、資源を確保しようと目をつけたのが、満州だった。

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