気だる魔族は今日も働く

　戦火に包まれた世界で、魔族の青年レオンは廃墟となった戦場を一人歩いていた。
普段は無気力で「面倒だな」と口癖の彼だが、その目には深い悲しみが宿っていた。
彼の祖父は古代文明の研究者であり、幼少期に中立国ルミナス公国で出会った人間族の王女エリスとの思い出が蘇る。

　ある日、戦場跡で変装した王女エリスと再会する。幼い頃の約束を胸に、二人は再び友情を育み始める。
しかし、レオンは魔族の内部抗争と次期魔王の座を巡る陰謀に巻き込まれていく。
彼は「このままじゃ、また無意味な戦いが続くだけだ」と平和を望み、自ら魔王の座を目指すことを決意する。

　彼の持つ古代文字の解読能力と秘めた実力が、やがて世界の運命を左右する鍵となる。
だが、彼の前には愛情と嫉妬が絡み合うリリスや、議会の陰謀が立ちはだかる。
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