第1-1 過去の戦火と新たな動き
時は遡ること20年前、この世界は比較的平和な時代を迎えていた。各種族間で小さな争いはあったものの、大規模な戦争は避けられてきた。しかし、その均衡を崩したのが、前魔王アーサーの出現だった。
アーサーは魔族の中でも突出した力を持ち、その野心は留まるところを知らなかった。彼は魔族の繁栄と領土拡大を掲げ、人間族への侵攻を開始した。
「人間族は数こそ多いが、我ら魔族の敵ではない。彼らの土地を奪い、我らの栄光を築くのだ!」
魔族領は土地がやせ細っており、不満を抱える魔族たちが大勢いた。そんな魔族たちだからこそ、その言葉に鼓舞され、戦いへと駆り立てられた。だが、アーサーの本心は別のところにあった。彼は古代文明の遺産を手に入れ、世界を支配することを目論んでいたのだ。
一方、人間族は突然の侵攻に混乱をきたした。当初は各国がバラバラに対応し、魔族の勢いを止めることができなかった。しかし、アルベリア王国の王の呼びかけにより、人間族は一致団結することになる。
「このままでは我々の未来はない。力を合わせ、共に立ち向かおう!」
王の熱意と指導力により、人間族の各国は連合軍を結成した。その動きに他の種族も呼応する。エルフ族は魔法の力で支援し、ドワーフ族は兵器や防具を提供した。獣人族もまた、その戦闘力で前線を支えた。
こうして、魔族対他種族の全面戦争が勃発したのである。
戦況は一進一退を繰り返した。人間族はその圧倒的な数と戦術で魔族に対抗した。彼らは魔力は乏しいものの、緻密な戦略と連携で魔族の進軍を食い止めた。
「個の力で押し切れると思うなよ!」
人間族の将軍たちは次々と新たな戦術を編み出し、魔族の弱点を突いていった。
一方、魔族は個々の強大な力で敵陣を突破しようと試みた。特に四天王たちは、その圧倒的な力で戦場を席巻した。
「我らの力を見せてやる!」
彼らの活躍により、一時は人間族の陣営が崩壊寸前にまで追い込まれた。しかし、人間族は諦めなかった。彼らは士気を高め、再び立ち上がった。
戦争は長期化し、双方に多大な被害が出た。その中で、前魔王アーサーは焦燥感を募らせていた。
「このままでは埒が明かない。」
彼は自ら軍を率い、前線へと赴いた。その姿に魔族たちは歓喜し、士気は最高潮に達した。その中には四天王も2人、参加していた。
しかし、その行動が運命を大きく変えることになる。
人間族の将軍、ヴィクトル・バルトランドは冷静に戦況を分析していた。彼はオルディア王国の公爵家当主であり、戦場で数々の功績を挙げてきた。そんな彼は、古代兵器の剣を所有している。
「前魔王が自ら出てくるとは好都合だ。ここで一気に決着をつける」
彼は周到な計画を立て、魔王討伐のための特別部隊を編成した。戦場での激しい戦闘の末、彼らは魔王アーサーに迫った。
「貴様らごときが、この私に敵うと思うのか!」
アーサーは圧倒的な力で攻撃を仕掛けたが、ヴィクトルは冷静に対処した。そして、隙を突いて魔王に一撃を与えたのだ。
「ここで終わりだ、魔王アーサー!」
その一撃により、魔王は致命傷を負い、戦場から姿を消した。魔族たちは指揮官を失い、混乱に陥った。その混乱の最中、四天王も2人討たれ、大敗を喫した。
こうして、この戦いが大きな失策となり、戦争は一気に終結へ向かった。戦争は人間族側の勝利に終わり、停戦協定が結ばれた。莫大な借金に、不利な協定。そして、その代償はあまりにも大きかった。各種族は多くの命を失い、荒廃した大地が広がっていた。
戦争終結後、魔族は内部での権力争いが激化していく。次期魔王を巡る争いが起こるのだ。
そして、、、
-----------------------------------------------
ご覧いただきありがとうございます。
10話まで、書き起こしておりますので、それまでは毎日投稿いたします。
よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます