第9話 新しい朝

 不快な熱気に包まれて目を覚ます。

 真っ白いクロス張りの天井が見えた。

 なにも変わらない。

 いつもと同じ、いつもの景色。

 ここは、わたしの部屋だ。


「なんてエキセントリックな夢なのよ、もう……」


 独りごちてクシュクシュに寝癖のついた髪をき上げ、ベットから起き上がる。

 目覚まし時計を確認してシャワーを浴びるのを諦めたわたしは、寝汗で濡れたTシャツやスエットのズボンを脱いで下着に手をかけた、まさにその時──


「えっ……ウソでしょ?!」


 わたしのグッドシェイプボディの腰には、革ベルトのあとがうっすらと残っていた。






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