ぶらさがり女が、今も窓の外にいる

　恐ろしい「ぶらさがり女」。
　ぶらさがり女に狙われてしまった主人公ですが、怪異から逃れるための手段を知っています。
　当然、主人公はそれを実行します。その結果……。

　さて、主人公の身に起きた出来事がどうなっていくのか。最後の最後まで、しっかりと見届けて下さい。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（389文字）

よかれと思ってやることがすべて裏目に出るという、救いのない展開が怖い。
でも何よりも怖いのは、この小説を読んでしまったということ。

本作が読者を恐怖に陥れる場面は、科学が記す物理法則を無視した怪異が人間に迫る、ホラーの王道です。

しかし、その後がもっと怖い。

ああ、嫌だ、嫌だ。ちょっと話題を変えましょう。

情報弱者、という言葉がありますが、他人にそんな呪詛を吐く人をどれだけ信じていいんでしょうかねぇ。自分が調べられることなんて、高が知れているのに。

このレビューを書いている2024年10月は、NHK で「チ。 ―地球の運動について―」が放送され絶賛されています。しかし、その主人公たちは当時では異端。もし僕が作中世界に転生したら、普通に主人公たちを非難する凡人に生まれ変わるでしょう。そうして諦める分別は持たないと。…続きを読む

「ぶらさがり女」というだけで、不気味さを感じる怪異。
それを遠ざけるために、色々と試すもののぶらさがり女の方が一枚も二枚も上手でした。
でも、もっと上手だったのは･･････
この物語はあとがきを読んでこそだと思うので、是非最後まで読んでみて下さい！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（113文字）

発想と物語の展開が素晴らしかったです。
また色々と考えることのできる話で良かったです。
情報というものを上手く使った作品でした。

　『ぶらさがり女』の噂をきいてしまった主人公。
　早速『ぶらさがり女』が窓の外に来てしまいました。

　『ぶらさがり女』はコンコン、と窓を叩いて「開けて」と言うだけではないのです。
　恐ろしい能力で、狙った人を追い詰めていきます。
　現代人が一番頼りにしている、アレ、があてにならなくなるのです。
　
　体験型ホラー。私は体験してしまいました。
　なのでもう、だめかも知れません。