three sweet
第8話
放課後。
楽しくワイワイしている生徒達に紛れて、あたしは膝から崩れ落ちた。
何気なく見た教室の窓の外。
そこから見える中庭の大きな木の下で……。
唇を重ねていた啓介と今朝の女の子。
気分は最悪。
まさか彼氏のキスシーンを本気で目撃してしまうとは。
しかも校内であんな堂々と……本気であり得ない。
あたしは啓介の彼女じゃないの?
「どうしたの」
その場に踞ったあたしの傍に教室に居たクラスメイトが駆け寄って来てくれたけど、正直何も耳に入ってこない。
泣かないようにするので精一杯。
流れ落ちそうになる涙をグッと我慢して、あたしは「何でもなーい」と教室を飛び出した。
鞄が置きっぱなしだったけど、取りに戻る余裕なんて今は無い。
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