第6話

「うわぁーん! 優太っ。 和実があたしのことを苛めてくる~!」




有無を言わさせない態度の和美から逃げるように、あたしはお決まりのパターンで優太の後ろに隠れた。




「まぁ、落ち着けよ。 和美もあんま梨花を責めるなって」




優太もこれまたお決まりのパターンで、あたしを庇ってくれる。




「さすが優太!超絶優しいっ!」




あたしは優太の背後から和美に向かってニヤっと笑ってやった。




だって、和美が意地悪を言うんだもん。




「ちょっと~? あたしはあんたのことを想って言ってんだからね? あの必殺遊び人にあんたが泣かされるのは、もう見たくないの~」




和美はそんな私を見て、呆れたと言わんばかりに深く溜め息を吐いてくる。




「うっ……」



「うっ。じゃないし~。 次は何が理由で泣いてたの? ついにキス現場でも目撃した~?」




オマケに平然とした顔で不吉なことを言われて背筋が凍る。




ヤメて欲しい。



そんなの絶対見たくない。





「み、見るわけないでしょ。 ただ夏のイベントごとは全部パスって言われただけだから」




そしてその後、目の前でイチャイチャされただけ……。

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