two sweet

第4話

泣くだけ泣いて教室に戻ってきたあたし。




でも、教室の中に入りづらくて扉の前で暫くボケッと突っ立てた。




目とかまだ赤いし、泣いていたことがバレそうなんだもん。




バレたら恥ずかしいし、嫌だ。




理由とか聞かれたら、また泣いちゃいそうだし。





取り敢えず躊躇する体にエールを送って、教室の入り口からチラっと顔だけ出して中を覗き込んでみた。




予想していた通り、お昼休憩がもうすぐ終わるって時間だし、教室にみんな戻ってきてる。




「………」




やっぱり戻りづらい。




でも、いつまでも入り口に突っ立てるわけにもいかないし。




授業が始まる前に、さっさと気持ちを切り替えて中に入りますか。





そう思って自分を励ましながら教室の中に足を踏み入れた。




「あー!梨花おかえり~!」




教室に入ってイスに座ったあたしに友達の竹田和美たけだ かずみが教室に響き渡るくらい大きな声で叫ぶ。




「……ただいま」




苦笑いになりながらも返事をしたら、和美は凄い怖い顔であたしの傍まで駆け寄ってきた。

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