第2話

何なのコイツは。苛つくのはこっちの方だし。




「お祭りも花火も海もプールも全部無しってこと?」




そう尋ねたあたしに啓介は呆れたように溜め息を吐く。





「そ。部活もあるし無理だ」




挙げ句に目も合わせずに淡々とした態度。




「……嫌だ」




あたしは啓介をキッと睨んで唇をギュッと噛み締めた。




“部活があるなら仕方ない”



“予定があるなら仕方ない”




普通ならそう。



それで諦めるところ。




でも、それが出来ないのは……。





「啓くぅ~ん?お祭りは私と行くでしょ~?」



「当たり前だろ~!」




近寄って来た女の子に甘ったるい声で返事をする、この浮気男の所為だ。





いつも用事の相手って大体95%ぐらい女。




女、女、女。




もう、うんざりだ。




しかもコイツらあたしの目の前で腕を絡めてイチャイチャと……許せない!





「もういい!」




あたしはバカどもにワントーン低い声で叫んで背中を向けた。




「んだよ。うるせぇな」




啓介がチッと小さく舌打ちを打っていたけど、もう知らない。




要らないし。あんな浮気男。

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