第19話
「……え?」
優太の発言にあたしは再び驚きの声を上げた。
だって俺に譲ってくれって、そんな……。
優太ってあたしのことが好きだったの……!?
急速に心臓の鼓動が速まっていく。
全然気付かなかった。
あたしって結構鈍感だったんだ。
「あ?んなの梨花が決めることだろうが」
苛立ちを隠せないんだろう。
口調を荒らげた啓介は余裕な笑みを浮かべて、あたしに視線を送ってくる。
「まぁ……、そうだけど」
一方、優太は視線を落として唇を噛み締めた。
何だかちょっと悔しそう。
ってか何?このあたしの取り合いみたいな昼ドラ風の展開は。
どっちか選べってこと?
「そんなの答えなんて決まってるでしょ」
あたしは啓介の彼女で。
付き合って2ヶ月で。
別れる決心も出来てなくて……。
こんなの選ぶまでもない。
「優太」
「……何?」
「だから優太」
「……え?俺?」
そんなあたしのハートを揺さぶるくらいのホームランを放った優太を、選ぶに決まってるでしょうが……!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます