第18話
優太の叫び声と共に私の頭の横を何かが物凄い速さで飛んでいった。
風が舞って少しだけ髪が揺れる。
「……え?」
そう声を発した時には、その物体が啓介の頬を掠めて通り過ぎていった後だった。
「今のは外してやったけど、次は顔面にストライクするからな」
壁に跳ね返って足下に戻ってきた物体……、野球ボールを拾い、優太は険しい表情で啓介を睨む。
「あんた誰よ」
思わずそう尋ねてしまった。
だって、いつもの優しい優太じゃない。
怖いくらい真剣な顔をする優太は、
凛々しくて、
男らしくて、
何だか頼りがいがありそうで。
カッコイイ……!
ヤバイよ。かっこ良すぎでしょ。
優太ってこんなにかっこ良かったっけ?
優太に胸キュンしてるよ!
あたし……!!
「……は?お前にキレられる筋合いはねぇし」
それまで硬直していた啓介が我に返ったのか優太に掴み掛かる勢いで怒鳴る。
「は?じゃねーし。お前がそんなノリで梨花と付き合ってるなら俺に譲れよ」
歩み寄ってくる啓介に優太は真剣な顔のまま、そう言い返し……。
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