第17話

「いや、お前は俺の女じゃねぇの? 俺を置いてそいつと消えるとか、あり得なくね?」




そう言ってズボンのポケットに両手を突っ込み、顔を歪めてあたしを睨む啓介。





どの口がそれを言いやがりますか。




「はぁ……」




呆れて溜め息しか出てこない。




散々、浮気しておいて今さら独占欲を持たれても。




「なぁ?聞いてんだろ?答えろって」




更に眉間に深く皺を寄せるバカ男。



苛々しすぎて、あたしは爪が食い込みそうなくらい拳を握り締めた。




もう殴ってやりたい。





「浮気してたくせに」




あたし以外の女の子とキスしてたくせに。



あたしなんて愛していないくせに。



ってかあたし、コイツのドコが好きなんだ?





「だから何だよ? 男は浮気するもんだろうが」




至極当たり前だと言わんばかりに啓介は鼻で笑う。




そんな啓介にもう……。









「はい、プッチーン」



優太がキレた。

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