第13話
「ありがと。 大丈夫だから。やっぱり下ろしてもいいよ」
自分からおんぶして貰っておいて、あたしは本当に我儘。
だから啓介にも飽きられたのかな……。
そう思ったら、また泣きそうになってきた。
憂鬱な気分になりつつ、しゃがんでくれた優太の背中からゆっくり下りる。
それが寂しいと思うあたしは人肌が恋しいのかも知れない。
「大丈夫じゃないだろ? 何があったか言えよ。 俺のことはいいからさ」
立ち上がった優太は真剣な顔であたしの顔を覗き込んできた。
心の底から心配そう。
申し訳ないな……。あたし、優太に心配をかけすぎだし。
「何でもないよ。ありがと」
お礼を言って精一杯笑顔を作ってみる。
これ以上、気を遣わせたらイケないと思って。
しかし、優太はギュッと口を結んでしまった。
視線を外して眉間に皺を寄せて、怒っているように見える。
我儘なあたしに愛想を尽かしたのかも……。
「もしかして、あたしのこと嫌いになった?」
優太は
優太の口から嫌いじゃないって言って欲しくて、つい尋ねてしまった。
実際にそうだとしたら困らすだけなのに。
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