概要
【カクコン10 中間選考通過作品(ライト文芸部門)→無念の最終選考落ち】
わたくしファルナミアンは、希代の女性魔導士リュライア・スノート様にお仕えする使い魔にして執事でございます。使い魔としては猫の姿をしておりますが、執事の時は女性の――リュライア様いわく、「無駄に艶っぽい美人」の――姿をしております。
リュライア様とわたくしは、学園都市の郊外に二人で住んでおりますが、魔導学院にはリュライア様の姪であるクラウ様が在学中でして、よく厄介事に巻き込まれます。そのたびにリュライア様とわたくしが解決にあたりますが、何しろ今は魔法より科学、剣より銃の時代でございますから、魔法で万事解決というわけにはまいりません。時に推理、時に行動
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「使い魔」兼「美人執事」が織りなす軽快なミステリータッチのライト文芸!
主人公のファルナミアンは、語り部の「猫」であり、リュライア様に仕える女執事でもあります。「猫」から「執事」への変身が物語のコミカルさでもあり、ミステリー要素でもあります。
ストーリー展開は、リュライア様の姪であるクラウが持ち込む「厄介事」を、ファルナミアンとリュライア様が解決する形で進行していく、「日常の謎」に近い構成に思います。
猫と執事という立場を自在に使い分ける主人公の活躍と、周囲の人間関係を巡る知的なやり取りがテンポよく進んでいくので、ライトにミステリーを楽しみたい方にお薦めしたい1作です! - ★★★ Excellent!!!完璧な一杯に仕上がった、“ミステリーコメディ”
珈琲の香りが立ち込めるサロンで、語られるのは一通の恋文をめぐる優雅な小騒動――
そう思って読み始めたところ、意外や意外。これは**“諜報の影が差す、精緻な推理喜劇”**だった。
メイド長ファルと魔導士リュライア様の名コンビによる、対話主体で進む物語はどこまでも洒脱。
主従の知的応酬にニヤリとし、クラウ様の奔放さに吹き出し、
そして最終盤、思いもよらぬ角度から“諜報員の可能性”が語られるとき、物語は驚くほど奥行きを帯びる。
コメディとして笑えて、ミステリとして驚けて、
キャラクターたちをもっと知りたくなる、まさに香り高くも深い一杯。 - ★★★ Excellent!!!毛の先まで優雅であれ
使い魔の猫の姿と、女執事の姿。二つを使い分けるファルナミアンが、うっとりため息をつきたくなるほど優雅です。そんな彼女を主人公に据えたこの物語の、なんと美しいこと。読めば読むほど世界に飲み込まれて、自分自身もなんだか優雅になった気分に浸れます。
もちろん見た目や所作だけが優雅というわけではありません。ジャンルをミステリーにしている本作は、その解決方法も華麗。ファルナミアンが鮮やかに問題を解決する様に惚れ惚れすること間違いなしです。
事件が起こるということはその事件を持ち込む者がいるわけですが、本作ではファルナミアンの主人の姪、僕っ娘のクラウがそれを担っています。一見無邪気な少女かと思われ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!希代の魔導士と執事&使い魔の女性バディが紡ぐ軽快な異世界謎解き物語
最新話まで拝読してのレビューです。
希代の女性魔導士と、彼女に仕える使い魔にして執事の女性が紡ぐ物語です。
執事のイメージといえば、なのですが、本作では執事の姿の時は「無駄に艶っぽい美人」、使い魔としての姿は猫という設定です。
物語は「珈琲●杯目」(●に数字が入る)という形で短くて4話、長くて20話程度で構成されています。
ジャンルこそ異世界ファンタジーですが、異世界での謎解きが物語の核になっています。
謎解き部分は飽きさせない工夫が随所に見られます。
女主人と執事の掛け合いも絶妙で、いわば本作も女性バディものです。
この二人が思わぬ解決策を見つけ出してくる展開にわくわくさせられます。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!執事におまかせ
執事といっても白い髭のおじいさんではありません。メッチャ可愛い女の子です。見た目は。
というのも、使い魔の猫ちゃんが、女主人の魔法によってそうなっているようです。
……こんな風に言うと、魔法を使って何かをするとか、戦うとか、そういうお話を想像するかもしれませんが、さにあらず。
女主人の姪がトラブル巻き込まれ体質なのか、そういう風にやって来たトラブルをシューティングするお話です。
このシューティング、解決する方法が、単純に魔法を使うのではなく、知恵を用いるところが、このお話の深いところです。
単に解決方法を思いついても、それをストレートに開示するのではなく、敢えて変化球を投げます。
なんで投…続きを読む