山師団の男たち

kitajin

登場人物兼概要










登場人物


・ 沖土 おきどけい29歳

元電気部品の工員。

毎日、同じところに行って、同じ作業をするのが嫌になり、大自然で働きたくなり、ものは試しで林業の世界に足を踏み入れる。しかも、社長の勧めで、移住支援プロジェクトに協力を頼み、住み込みで働くこととなった。

社長のペースに巻き込まれながら、どんどんと田舎に巻き込まれていくが、そこには一風変わった村の風習が存在していた。


・ 馬酔木峨朗あせび がろう37歳

ASE材木店の三代目社長。

山田沢にある唯一の林業を生業とする素材生産業者の社長。昨年、代替わりをして、心機一転、若い人材を広く募集して、会社を大きくしようとしている。

物腰は柔らかく、言葉遣は丁寧だが、三代目らしくどこか、世をなめたところと、甘さがある。


・ 馬酔木徳次郎あせび とくじろう71歳

ASE材木店の二代目社長。

現在は会長となっているが、実際は、現役をほぼ引退して、偶に手伝っている隠居状態。顔が広く、山沢田の自治会長なども長年務めていた。

性格は昔気質で、頑固でぶっきらぼう。しかし、面倒見はよく身内には甘い。


・ 馬酔木小百合あせびさゆり70歳

社長の母親。

優しく穏やかな老婆。しかし、眼鏡の奥は笑っておらず、内面は冷たい雰囲気を漂わせる。

良き母親であり、妻である。「お母さん」と従業員からも親しまれている。


・ 馬酔木冬子あせびとうこ31歳

社長の嫁。

昔、どこぞでホステスをしていたらしく、店で社長に口説き落とされて、山沢田に連れてこられたという。

全く働かずに、何をしているのか不明。

本人はこの村が退屈で仕方がなく、どうにか出たいと考えているが、さりとて出ていかない、不思議な女。

性格もつかみどころがなく、圭にちょっかいをかけてくる。


伊勢崎為朗いせざきためろう73歳

元従業員、現臨時作業員。

家の農業をする傍ら、兼業で、ASE材木店の作業を手伝う老人。奇行が目立ち、圭を恐れさせるが、害のない老人である。何かを常に恐れている。


根本芳一ねもとよしいち68歳

ASE材木店の現場を取り仕切る従業員。

林業歴五十年の大ベテランであり、俺の思い通りになければ帰ってしまう融通の利かない老人。作業全般を任されており、社長にも怒鳴り散らす、気性の荒さがある。作業はスピード重視でミスが多いが、面倒見はよく、圭の指導員でもある。


今月元気いまづきもとき45歳

峨朗が社長になって最初に入った従業員。

近くの町出身で、林業も他社を辞めて、ASE材木店に採用された。真面目だが、融通が利かず、こうと思ったら、誰が相手でも自分を曲げない頑固さとネットの知識をひけらかして武装する。

彼がいるところにトラブルが絶えず、ASE材木店でも居場所がなかった。

しかし、ある日、死体となって発見される。


高良良一たからりょういち41歳

すぐに休む幽霊社員。

頭が良く、大学院卒業だが、なぜかド田舎のASE材木店にやってくる。太っていて、動きが鈍く、すぐに怪我をして休む。

だが、社長からの信頼が厚く、一番の社長の理解者である。


伊勢崎満里恵いせざきまりえ22歳

スーパーの店員。小柄で男好きする雰囲気の女性。田舎では、若いだけで貴重な存在であるが、地元を出たがっている。

圭と仲良くなり、デートをするようになるが、突然連絡がとれなくなる。


金井省吾かねいしょうご37歳

峨朗の幼なじみ。いつも大風呂敷を広げ、調子が良く、おしゃべりな性格。峨朗と師団長選を争う。


花村一雄はなむらかずお44歳

二メートル近い身長をした駐在。モサッとした雰囲気で、何を考えているのか分からない。しかし、旅行客など、おかしな行動をすると容赦ない一面を見せる。


古東歩美ことうあゆみ32歳

峨朗の息子の同級生の親。百六十センチ、髪は背中まであり、やせ形で、集落を徘徊して、常に何かを警戒している。


山本東二やまもととうじ34歳

浜松市警の刑事課の警部補。中肉中背、無表情で、口数は少ないが、観察眼が鋭く、地道に捜査をするタイプ。


浜本圭一はまもとけいいち25歳。

隣の県から友人と共に遊びに来たキャンパー。


しきみ

かつて村に存在した山もちの家。なぜだか分からないが現在はなく、誰もその理由を話そうとはしない。


〇 山師団のメンバー


大鳥居浩司おおとりいこうじ50歳

山師団の師団長。農業を生業としており、彼の作るお米は県外からも買い付けにくるという。丸眼鏡をかけ、背が高く、日に焼けた引き締まった体つきをしている。


・副団長 岩本一大いわもといちだい38歳

山師団の副団長。十五年前、市外からやってきた、イチゴ農家。坊主頭の面倒見のよい好青年。

 

利根松肇とねまつはじめ35歳

集落の唯一の歯医者。低身長で、頭頂部まで禿げあがった、三十代の男である。


遠山明信とおやまあきのぶ36歳

ガソリンスタンドの主。峨朗の一個下の後輩であり、ASE材木店にガソリンなどを配達してくれる。小太りの人が好さそうな青年。


西新井広見にしあらいひろみ42歳

消防団団長。山師団は、消防団も兼ねているので、師団長の下に消防団の責任者を置いている。小太りの人の好さそうな人物。


林出英明はやしでひであき39歳

今年のはじめに、夫婦で家を建てて、住み着いた三十代前半の塾講師。気真面目そうな細身の男性。


山下徹やましたとおる35歳

峨朗の後輩。専業農家をしており、岩本と仲が良い。子供のころから峨朗にいじめられてきたので、峨朗に弱い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る