13日目 Loop Summer Vacation ③
8月22日 天気はれ
今日は何と連絡の取れなかったお爺ちゃんが遊びに来てくれた!お爺ちゃんはいっぱい遊んでくれるから大好きだ!しかも僕みたいな子供に対しても本気で遊んでくれる。だから僕も本気を出せるんだ!!
今日はかくれんぼをしてくれるって。
まずは僕が隠れる番!!
お爺ちゃんが数を数えてくれる。
「2時間59分59秒。2時間59分58秒。……」
いや、駄目だ!このまま隠れても見つかってしまう。それだけじゃない。お爺ちゃんが隠れたら見つからなくなってしまう。よく分からないけど、何となくそうなる気がする。
僕は数を数えるお爺ちゃんを止めた。
「お爺ちゃん!何だか前にもこんなことがあった気がするんだ。繰り返してるんだよ」
僕の言葉にお爺ちゃんは数を数えるのをやめてた。
「いいか、そんなことはない。時は巻き戻らないんだ。一応おばあちゃんに聞いてみてあげよう」
お爺ちゃんはそう言うと、衛生電話を取り出しおばあちゃんに連絡をしていた。おばあちゃんは凄腕のハッカーなのだ。
「やっぱり、おばあちゃんに聞いてみたが日本は勿論、海外のデータバンクにもおかしい所はないみたいだ。さぁ!そりよりかくれんぼだ!」
そしてお爺ちゃんは数を数え始めた。
僕は引っ掛かる何かを残し、服を脱ぎ捨ててさっきまで居た場所から痕跡を消す。靴を履き替え、極力カメラに映らないように行動する。家から出て3ブロック移動したら服を着替える。
日本一周中の看板を背中に掛け、止めてあった自転車にまたがり北を目指して北上する。おおよそ2時間で移動できる範囲を計算して、その限界値より30分ほど手前に痕跡を残すと、直ぐ様進路方向を変えて商業施設に身を潜める。
そして、僕はすぐに見つかり僕の予想通り、お爺ちゃんは行方不明になった。
いったい何が起きているのか?僕はしばらく考え、飽きて寝ることにした。
えっ?お母さんなぁに??
お爺ちゃんが来てたかって?
さぁしらなぁい~。
本当に知らないのだろうか?
知っているような気がする。僕はこの後のことも知っている気がする。明日は三日坊主がうちに来るはずだ。根拠はないけど、絶対に来る。夏休みの宿題14日目だけど、多分三日坊主だ。そしてお母さんに捕まって怒られる。僕はそれで宿題を続けていくんだ。
この現象は誰かのせいなのか。
僕には分からない。
あやふやな記憶だけを頼りに僕は明日を目指す。
妄想的夏休みの宿題。13日目
Loop Summer Vacation③
続く。
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