妄想的夏休みの宿題
ろくろわ
1日目 夏休みの計画を経てる
8月10日 天気 晴れ
夏休みに入り既に幾日か過ぎた。
勿論、宿題は手付かずのままだ。いつも思う。今年こそは余裕を持って終わらせるぞ!と。だが現実がそれを許してくれない。
朝早く起きてラジオ体操。
出来るわけがない。
もっぱら起きるのは9時だ。
仕方がないのでラジオ体操カードには100均で買った判子を押しておこう。うん。毎日出席できてるな。
さて、今日は夏休みの計画を立てよう。
まずは計画を立てることが大切だ!取り敢えず7月は「遊ぶ」と。仕方がない。だってもう7月は終わってしまった。過ぎたことを引きずる程、僕は子供じゃない。
取り敢えず、算数からやってみるか。なになに?
①孝くんは時速10キロで米子ちゃんの家に向かって歩いています。米子ちゃんは分速800メートルで孝くんに向かっています。2人が同時に家を出るとき、出会うのは何分後でしょうか?
はい。答えは米子ちゃんの歩くスピードが化物です。いや、待てよ。引っかけ問題かもしれない。そうだよ、そもそも孝くんは米子ちゃんの家に向かってるのに、米子ちゃんも家を出て孝くんに向かっているのはおかしい。米子ちゃん、孝くんを家にいれる気が更々無いやん。何なら、分速800メートルで孝くんに向かっているのは恐怖しかない。よって答えは、米子ちゃんがサイコパスと。
さぁ次。
②1時間に2倍に増える壺があります。孝くんは貯金の500円をいれた時、24時間後にはどうなっているでしょうか?
はい。答えは夢があるだね。そんな壺があったら欲しいですから。
さあ次。
③孝くんと米子ちゃんは森で虫取りをしていました。孝くんが蝉を3匹捕まえる時、米子ちゃんは10匹捕まえます。ところが優しい米子ちゃんは捕まえた蝉の半分を孝くんに上げます。孝くんが200匹の蝉を持っているとき、米子ちゃんは何匹捕まえていたでしょうか?
はい。米子ちゃんは化物です。何これ?怖いんだけど。
さあ次。
④米子ちゃんは1日に700通のラインを孝くんに送ります。孝くんはそのうちの20%に返事をくれます。ところが一週間立つと米子ちゃんは1000通送るのに対し、12パーセントになりました。何故でしょう?
はい。答えは分かるのですが、答えられません。と。
米子ちゃんやばくないか?そう言えば算数の真中先生の名前が米子だったような。社会の先生が田代孝先生。まさかね。
さあ次。
⑤米子先生の体重は50キロです。だけど孝先生に重たいと言われてしまいました。この時、適切な重さは何でしょう?また何故重たいと言われるのか証明しなさい。
はい。もう先生って言っちゃってるじゃないですか。答えは多分、そう言うとこだと思います。
何これ?
僕はもう今日の宿題を止めることにした。
妄想的夏休みの宿題。
本日は終了。
えっ?お母さんなに??
先生が家庭訪問に来てるって?舞子先生?
えっ?
米子先生だって??
続く。
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