20日目 絵空事日記
8月29日 天気は雨のち大雨
「……ねぇ、あんた。米子先生とか孝先生って誰?」
昨日、あの後お母さんと少し言い合いになった。
米子先生も孝先生も知らないだなんて言うもんだから、算数の先生と社会の先生って言っても納得しないし。それにヤギさんも知らないし、三日坊主も知らないって言ってた。
そう言えば、おかあさんにしばかれていた三日坊主を見ていない。
今日は始業式が始まるはずだった。
だけど僕が学校に行くと、そこには米子先生も孝先生もいなかった。
それだけじゃない。
終わったはずの米子先生の算数のプリントも孝先生の社会のプリントも無くなっていて、算数も社会も手付かずの宿題が残っているだけだった。
僕は夏休みの事を思い出してみる。
米子先生のプリントをして、お爺ちゃんとかくれんぼをして、三日坊主を見つけて、ヤギさんとお話しして、ループする毎日に巻き込まれて、そして読書感想文をかいて。
確かに経験したはずなのに、しっかりと思い出そうとしても顔を思い出すことができない。
これは本当に僕が経験したことなのだろうか?
何だかこのストーリーをどこかで見たような気がする。
そうだ!
カクヤムで読書感想文を書いたろくろあさんの「ドキッ!妄想的夏休みの宿題はエンドレス・サマー」に酷似している。今日、もう一度ろくろあさんの「ドキッ!妄想的夏休みの宿題はエンドレス・サマー」を読んでみると、内容が昨日と変わっている。「ドキッ!妄想的夏休みの宿題はエンドレス・サマー」の中の登場人物に米子や孝、三日坊主、ヤギさんと言ったキーワードが出てきていた。
つまり、僕がこの夏、経験してきたと思っていたことは、ろくろあさんの小説の内容だったってこと?
それだけじゃなくて僕、自身も小説の登場人物の一人だと言うこと?
僕は、自分が自分なのか。それともろくろあさんが書き上げたキャラクターなのか。何だか分からなくなってきた。
妄想的夏休みの宿題
20日目 絵空事日記
「夢うつつ」
続く。
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