世にも優しいショートショート

僕は一日に一回、一秒だけ、時間を止めることができる。この能力は僕だけに授けられた特殊な能力のようだ（一秒でできること）
幼い頃、私には私だけにしか見えないお姉ちゃんがいた（お姉ちゃん）
迷い込んだ路地に昔、住んでいたアパートがあった（さくらアパート）
亡き妻が神社で見守ってくれている（神社）
お山にお宮をつくらねばならねえ～と伊作が言う（伊作の願いごと）
彼女に「笑顔をみせて」と頼むと「いくら払う」と答える（笑顔の値段）
私の唯一の自慢は美しい友だち（美しい魔女の子）
いつも笑っていないさいと母は言った（笑う門には福来る）
僕は頭の中に住んでいる（憑き人）