このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(155文字)
生きている水を飼い始めた主人公の弟。その弟が「水が大きくなると乱暴になる」と言及するシーンがあります。生物として水が乱暴になるという本作の設定を踏まえた一言だとは思うのですが、この言葉は現実世界でも同じことが言えると思い、ハッと気付かされました。例えば大雨で川が増水し氾濫すれば周辺の建物や田畑を流してしまいます。大きくなった水の最上位といえる海では、毎日のように事故が起きています。水はただそこに存在しているだけなのに、量が増えるだけで乱暴なってしまう。まさに本作の「水」と同じだと思い、設定の巧みさに感服いたしました!
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