第13話 先客【実話注意】

 第10話で我が家の話をしましたが、引っ越しを決めるに当たって重要だったのは家に「先客」がいないかどうかです。


 一般的な引っ越しの準備は、不動産屋にお願いしていくつか物件を内見したあとに、家賃や最寄り駅・バス停の近さ、住環境などいろんなことを考慮して決めますが、うちの決め方は最後にある方にこれと決めた物件を面接してもらうという最終確認があります。


 ある方とは、パートナーの父親です。見えるのか、聞こえるのか、直感なのかはわかりませんが、義父はいわゆる「視える人」なので物件に霊的な存在が住み着いていないかどうかを確認してくれるそうです。(実際、僕自身は何も感じないのでわからない……)


 前に「ここがいいなぁ〜」と思っていた家を見てもらったときに義父の口から飛び出てきた言葉が、「ここはダメ。もう、先客がいる」というパワーワードでした。


 確かに不思議なつくりではありました。1階は車庫になっている3階建ての一軒家でしたが、狭い土地に建っているのでキッチンもリビングも縦長で3階部分の寝室は暗く空気も悪く、畳に妙なシミがありました。とはいえ、住もうかなと思っていたので気にはしてなかったのですが。


 義父が言うには、事故物件とかでなくても長い間放置されている家はいろんなものが住み着くことがある、とのこと。


 「先客」がいるからなのかわからないですが、その家はその後も何人も人が住んでいますが、すぐに引っ越していなくなってしまいます。


 「先客がいる」というワードが強すぎるので、それ以降我が家では引っ越すときに霊的なものがいるかどうか確かめてもらう意味で「先客がいるかどうか確認してもらわないとね」、と言っています。




◇◆◇◆◇◆


 夏休みスペシャルは今日で終わりです。次の更新からはまた毎週金曜日18時から更新していきます。


 どうぞ、よろしくお願いします(⁠^⁠^⁠)

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