概要
ディストピアの飴役は至って真面目に心を痛め、少女たちの重い愛に思い悩む
人類は、いつからか強力になった魔物によって、すでに滅亡の縁へと立たされている。数多あった国がいくつも滅び、国はおろか街同士の交流さえ絶たれ、強力な結界と魔法使いを要する城塞都市のみが幾つか存続を許されているのみ。そして、追い込まれた人類はやがて倫理観を擦り減らし、かつて存在した伝説上の『勇者』を非人道的な手段で造り出し、起死回生を目指したのである。……結局、戦況をひっくり返すほどの成果は出ず、それでも都市防衛に十分な戦力を作ることができると分かった後は、勇者を効率よく生産する施設が建設され、そして勇者候補の教導役としての辞令を受けた不器用な堅物軍人――テオは、非人道的な施設のやり方に勇者候補の少女たちと心を擦り減らす毎日を過ごす。心に傷がある重たい少女たちから、重たい愛を向けられながら。
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