第5話 お弁当

お題 ①ぬいぐるみ ②米 ③海


僕はぬいぐるみを集めるのが好き。特に動物のぬいぐるみ! 中学生にもなって、ぬいぐるみばっかり集めていると女の子みたいとか言われるけど。でもクラスの奴らの冷やかしなんて気にしない!

「だって、お前ら可愛いからな」

僕はベッドに並んでいるぬいぐるみたちの中から、うさぎのラッキーを手に取る。頬に引き寄せて、ぎゅっと抱き締めた。

「ん?」

頬のあたりがチクっとした。何だろう?

……お米? ご飯粒?

ラッキーの耳の横にカピカピに乾燥したご飯粒がついていた。

「ラッキー、おべんとつけて、どこ行くの~」

子供のころにお母さんが歌ってくれた歌を思い出して、口ずさむ。僕はラッキーが痛くないように、そっとご飯粒を取ってあげた。

今日はラッキーとお父さんと、近所の海を散歩する約束なんだ。お母さんが、さっきサンドイッチを作ってた。今日のお弁当かな。

「今度こそ。おべんと持って海行こう~、ね!」

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