第4話 うさぎさんへ

お題 ①アイス ②うさぎ ③キツネ


ねえねえ、うさぎさん。ぼくね? 今日とっても良いものを持ってきたんだよ。アイスクリーム! 甘くて、冷たくて、とっても美味しいの!


ぼくはキツネ。今日は街に買い物に行ってきた。お花を買って、リンゴも買った。あとは、うさぎさんのお家に向かうだけ。

てくてくと歩く。うさぎさんのお家は、街外れの丘にあるんだ。街からは、ちょっと遠い。でも、うさぎさんの為に頑張るぞ。

賑やかな街を抜け、踏み切りまできた。丁度、汽車が通るね。ちゃんと待つよ。

汽車が通り過ぎたとき、1台のキッチンカーがゆっくり走ってくるのが見えた。

「なんだろう?」

ぼくは気になって、キッチンカーのほうに走って行った。

「こんにちは」と僕がネコの運転手さんに声をかけると、運転手さんは「おや? 坊っちゃん、アイスはいかがかね?」と言った。

「アイス!?」

……美味しいよね!

「おじちゃん、アイス売ってるの?」

「ああ、そうだよ。今日は、特別に、イチゴの果肉が入ったアイスもあるよ」

……イチゴ! うさぎさんの好物だ!

「おじちゃん、そのイチゴのアイスちょうだい!」

「おうよ」

ネコのおじちゃんは、カップにたっぷりアイスを入れてくれた。

「よし! 急がないと溶けちゃう」

ぼくはお花と、りんごと、イチゴのアイスを持って走った。


トントンとドアをノックする。

「こんにちは」

「あら、キツネくん、来てくれたの? 嬉しい!」

顔を出したうさぎさんが、にっこりした。

「ねえねえ、うさぎさん。ぼくね? 今日とっても良いものを持ってきたんだよ。アイスクリーム! 甘くて、冷たくて、とっても美味しいの!」

「わあ、イチゴ味ね! ありがとう」

うさぎさんがお家に入れてくれた。りんごとお花も渡した。

「一緒にアイスを食べて、紅茶を飲みましょう」

うさぎさんが、すごく嬉しそうにぴょんぴょん跳ねた。

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