第7話 弦音
お題 ①音楽 ②弓道 ③時計
僕は子供のころから、音楽が好き。楽器が奏でる音はもちろん好き。でも、ちょっとマニアックなのが、機械が奏でる音も好きってこと。例えば、時計のチクタクって表現される、秒針が動く音。時計の好きな音なら、まだある。時刻を合わせるときに回すリューズやクラウンと呼ばれるパーツ。あれを回した時の微かな歯車の音や、時計の針が回っていくときの音も好き。
……ね、変わってるでしょ?
そんな僕が高校生になったとき。弓道部に入った。
部活見学のとき、ぴんと胸を張り、綺麗な姿勢で弓を構える先輩たちの姿に、とても感動したから。
この弓道にも『音』があった。『弦音』ツルネという、矢を放った時に響く音のこと。色んな音を意識して聞いてきた僕は、弦音に魅了された。
誰ひとりと同じ音はない。それに、その日の天候や心理状況でも音が変わる。そんな世界。僕は自分の弦音を聞いて研究するのも好きだったけど、やっぱり人の弦音を聞くのが好きだった。
特に部長の弦音や礼儀作法の美しさは別格だった。今は、まだまだ新人だけれど、これからも部長のような美しい弓と作法、弦音を目指していこう。
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