第12話 決戦前夜
ハンバーグを食べ終えた私達は強制的に洋君を風呂に入れて、私の部屋で作戦会議を開いた。
「...........眠い」
「奈々未、明日は荒れるわよ」
「ん?」
「私達は一致団結する必要があるわ」
今日学校に行って私の予想通り、洋君の注目度は結構高かった。クラスメイトも男子3人のうち、数藤さんは........、小林さんは可愛いものが好きな人には好かれそう.......私達のパートナーが1番狙われやすい。
「(だって......洋君優しいし、カッコいいし、頼りになるし、カッコいいし、料理手伝ってくれるし、偉そうでないし、カッコいいし)」
奈々未は洋君の優しさに沼っているけど、ちゃんと束縛?みたいな物はしっかりある。私も3年後くらいには婚姻関係にはなっているけど、..........奈々未だけで終わらしたい。
「私は.............洋君が好き」
「リンリン?」
「奈々未はどう?」
「んんんんん.............洋は私の夫」
自信満々な奈々未を可愛く思いながら、私達は作戦を練った。前までは奈々未も敵と思っていたけど、今は違う。同じ人を好きな子そして、戦友、
「リンリン...話は?」
「そうね、私の考えでは明日にでも女子達が洋君を狙うはず、だから私達はそれを阻止する」
「どう?」
「恥ずかしいけど...........例えばボディータッチで私達の洋君だって見せつけるとか」
ボボボボボディータッチ、まだ洋君に触れる回数は片手で数えれるくらいだし、意識して触れた事などあまり無い......でも、
「リンリン......顔赤いよ」
「だって、男子に触れるの......恥ずかしいから」
「今日起きた時から抱っこしてくれたよ?」
「それは.......奈々未だから」
朝、私が洗面台で顔を洗ってリビングに戻ると奈々未が洋君に抱っこしてもらって、まるでコアラみたいな感じで......私も体験したかった。でも......破廉恥な子って思われたくないし、
「四宮さん!!牧城さん!!入っていいよ」
洋君の声が聞こえて奈々未は部屋を出て洋君を探しに行った。私は、衣類を持って風呂場に向かった。
「........奈々未!!!」
風呂場では奈々未が洋君の背中に張り付いていた。洋君は恥ずかしそうだったけど、嫌そうではなかった。思ったけど、洋君って妹属性が好きなのかな、なら、
「洋君.......私も」
近いて前側から抱きつこうとしたが、洋君が手で止めてきた。奈々未はよくて私はダメなの?と思ったが、
「四宮さんも牧城さんもダメ!!」
「「ごめんなさい」」
私達は怒られて渋々洋君から離れた。洋君はリビングに戻ったので、私は奈々未に「お風呂に入るよ」と言って一緒にお風呂に入った。
「コラ、先に体洗うよ」
「ううう」
私は奈々未の体を洗い、自分も洗ってゆっくり湯船に入った。奈々未は私より胸が大きく........結構落ち込んだけど、スタイルなら負けてないもん、
「.............温かいね、リンリン」
前に座っている奈々未は後ろを向きながら私に笑顔で聞いてきた。女子である私ですらドキッとしてしまった。顔は勿論可愛いし、白いショート髪も綺麗で........天使だ。
「そうだね」
でも奈々未は今日少し違った。いつもはフワフワしているけど洋君の事になった時に、クールでとても大人な女性だった。
このギャップって反則すぎない?
「リンリン....先に洗うよ」
「分かった」
奈々未は先に湯船を出て髪を洗い出した。私は湯船に頭まで浸かって.......堪能した。
昨日は個人、今日は奈々未をプラスして、しかし私は堪能した。
「もう出る」
「しっかり体拭いてね」
「うん、分かった」
奈々未は風呂を出て、私も体を洗う事にした。自分のスタイルは前までなら良いと思っていたけど、鏡で見て少し落ち込んだ。
今日会った西条さん達は、奈々未より胸がデカかったし、私はスタイルなら大丈夫だけど、胸は.................母さんのバカ、
「........はぁ......」
私も風呂を出て、しっかり体を拭き、リビングに戻ると、洋君と奈々未がソファーに座って、アニメを見ていた。
「何見てるの?」
「ラブコメ」
「ラブコメ?」
「リンリンも見る?」
「もちろん」
アニメは昨日が初めてだったけど、これはこれで良かった。3人で楽しめる空間という物は大切だから、
「「「おやすみ」」」
皆と別れて部屋に戻った。奈々未には作戦を伝えたが、多分明日には忘れているだろう。だったら洋君を守れるのは私一人、
「(絶対に守る。私達は......3年間同じ食卓を囲む為に)」
軽く勉強をして、ベットに入った。そして、明日への決意を固めて眠りについた。
「...........................洋君......」
「...........................洋....」
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