第2話 母さんは常識人?
初めての親元を離れて暮らす好奇心に部屋にある物を整理して、持っていく物を分けていると、ドアの隅でこっちを眺めてエプロンを噛んでいる母さんが居た。
「母さん、明日だよ」
「分かってる分かってるけど、まだ気持ちの整理が」
「なら一緒に部屋の整理する?」
整理にかけてみたが、母さんは怒って部屋を出ていった。少し可哀想だったが、いつかはこの家も出て行くかもしれないので、
バン..............、
「待って今何か洋ちゃんが一生帰って来ない感じがした」
「あ」
「今あって言ったよね言ったよね」
母さんは僕の側に来て膝で泣いた。黒いショート髪を撫でながら、優しくしていると、段々泣き止んでくれたので、部屋の外に放り出して整理を続けた。
貞操逆転前から荷物が少なかったので、キャリーケースとリュックだけでいけた。母さんが荷物を再度出そうとしたので、「悲しい」っと言ったら、手を止めて足にしがみついてきた。
「わたし、わたし.......まだ洋ちゃんと一緒に」
「すぐ会えるから」
「明日!明日よね」
「ん...........来月までには会えるよ」
「うわぁぁぁぁあぁぁぁぁ」
最近、母さんを泣き止ます手法がどんどん成長している。しかし、今日で終わりなので母さんには今日は沢山優しくしようと思った。........調子に乗らないのように、
「食べて食べて.......どう?」
「美味しいよ。母さん」
夕ご飯は僕の大好きなハンバーグだった。肉汁を店レベルで閉じ込めており、物凄く美味しかった。少し寂しそうだったので、最近お願いされた頭撫で撫でをして、
「うふふふ........これは私の幸せ、絶対に逃がさない」
(え....怖い。僕の母さんだよね?)
少し目が虚になっていたが、すぐ頭を撫でて笑顔の戻ってくれた。これからはすぐには会えないので少し.......心配だ。
「それじゃあ風呂にする?私が久しぶりにバブバブしよっか?」
「母さん調子乗りすぎ」
「ぶぅうううううう.....ケチ」
鍵をしっかり閉めて風呂に入った。この家は至る所に鍵がかかっており、この風呂の鍵も内側に付いているので、母さんにお願いして鍵を貰った。入られない様に、
「はぁ..........ごめんね母さん」
少し不安定な母さんを一人にするのは心配だが、学校には連れていけない。心苦しいけど仕方ない、
「うぅ.......うんうん、そんな事まで考えてくれるなんて」
ななななな.....何で扉の前に母さんが居る。鍵一つしかないはずだよな。少しずつ扉開きそうだし、僕今裸だし、絶対に見せれない例え母さんでも、
「扉を開いて.....新たな扉も」
「ダメです」
僕はギリギリ扉を閉めたが、母さんは全く引く様子がないので仕方なく少し開けると、
母さんは息子の僕からしてもとても美人だ。黒いショート髪にスッとしたスタイル、顔は貞操逆転前とは少し違い綺麗なクール顔だが、雰囲気が似ているので、逆転してもすぐに分かった。その母さんが、
「何で黒ビキニ着て泣いてるの」
「だってだって、一緒に風呂入って背中大きくなったねとか、みんな成長したわねとか言いたかった」
嫌々、逆転しても倫理観はしっかり持とうよ。今完全に欲望しかない目で僕に訴えてきたが、僕の母さんだ。どんなに見た目が若くても母さんだ.........黒ビキニは見るな。
「あ、エッチ」
...............バン、
指を口に付けて首を横に向けた母さんに少しドキドキしたが、これ以上は危ないので扉をすぐに閉めた。ダメだ母さんだぞ、恋愛対象には入らないはずだ。
シャワーで冷水を浴びて興奮を消し、風呂を出た。すぐ近くに母さんが居たけど冷水で冷静になっているので黒ビキニを見ても何も思わなかった。
「母さん風呂どうぞ」
「うん、いただきます」
ビキニのまま入っていく母さんは大人で身長も僕とそんなに変わらない170cm程だが、可愛い子供に見えた。それを見え送って僕は部屋に戻った。明日は早いので鉄格子に入って就寝した。
「.............行くか」
朝早く起きて鍵を開けてもらい、下に行き朝ご飯を食べて家を出て行く支度をして玄関を出ると、黒い大型車が前にあり驚いたが、
「はい、行くよ洋ちゃん」
(かっこいい)
黒い大型車の運転席に母さんが乗り、僕は荷物を入れて助手席に座った。スーツ姿の母さんは見惚れるほど綺麗だった。もし、母さんと血が繋がっていないなら......ま、そんな事ないか、
30分ほど走って、大きな建物が見えてきた。パンフレットにも書いていたが、新山高校は日本でも5つしかない全寮製の学校であり、レベルの高い進学校だが、男の僕はすぐ入れた。面接も試験もなく戸籍を送ったら数時間後に合格通知がきた。
「着いたわね」
「うん、綺麗だね」
「私が?私だよね.....ねぇねぇねぇ」
「前見て危ない、校舎も母さん綺麗だから」
「先に校舎を言ったのは少し引っかかるけど嬉しいわ」
大きな門に入り、数百台入れる駐車場に車を止めて車の鏡でスーツを整えて軽い荷物だけ持って外に出ようとしたが、
「待って、私が先に外出るから」
「?」
母さんが先に外に出て周囲を見渡して、安全が確保できたらしいので僕も外に出た。新山高校はまだ創立50年程であり、近くで見ると校舎が綺麗な事がよく分かる。
「それじゃあ洋ちゃん行こっか」
「うん」
「でも私以外の女性には注意してね」
「勿論」
これから始まる高校生活に期待を膨らませて入学式がある体育館に向かった。周囲には数人ほど居たが、当然男子は居なかった。
「..............カッコいい」
「ふぁ..........眠い」
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