概要
物語を憎んだ、あなたへ
そらね【空音】
一、実際は鳴っていないのに、聞こえてくるおと。「琴の――」
二、ニワトリが鳴く時間でもないのに、時を作る声を人がして見せること。「鶏の――/――をはく〔=うそをつく〕」――――「新明解 国語辞典 第八版」より
僕が部屋にあった国語辞典を確認したのは、リムアが一時的に戻ってくる一週間ほど前、七月も終わりの頃だった。嘘にはきっと何らかの意味があるものだ。絶対にそうだとは言い切れず、場合によってはまったく無意味なところから出てくる嘘もあるかもしれないが、リムアに限っては、何かの意味がある、と思ってしまったのだ。
一、実際は鳴っていないのに、聞こえてくるおと。「琴の――」
二、ニワトリが鳴く時間でもないのに、時を作る声を人がして見せること。「鶏の――/――をはく〔=うそをつく〕」――――「新明解 国語辞典 第八版」より
僕が部屋にあった国語辞典を確認したのは、リムアが一時的に戻ってくる一週間ほど前、七月も終わりの頃だった。嘘にはきっと何らかの意味があるものだ。絶対にそうだとは言い切れず、場合によってはまったく無意味なところから出てくる嘘もあるかもしれないが、リムアに限っては、何かの意味がある、と思ってしまったのだ。