二、終わらない夢



 戀歌楼れんかろうの女主人であり案内人である、そよぎ。完璧な魔導人形である彼女には老いも寿命もない。


 マナがこのセカイから消えない限り存在し続ける。異形たちも然り。彼女が存在し続ける限り、彼らは生かされる。一時的に身請けされたとしても、その身請け人、もしくは継承者が死ねば再び戻って来る仕組みのだ。


 それはまるで終わらない夢のよう。


「あなたが再び目覚めるその時まで、私はここで待ち続けます」


 移ろっていくメトロポリス。

 周りが変化しても、この場所だけはあの時のまま。今宵も戀歌楼れんかろうの案内人として役目を果たす。


 ここで働く異形たちは我が儘で自分勝手。

 客はそんな奇妙で魅力的な異形たちに夢中になるのだ。


「以上で身請けの手続きは完了と致します。後日うちの者が、間違いなく指定の商品をお邸にお届けに上がりますので、ご心配なく。再度重要事項をお確かめの上、どうか誓約をお忘れなきよう―――」




□■ 第四章 戀歌楼の案内人 ~了~ ■□



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戀歌楼の案内人【BL】 柚月なぎ @yuzuki02

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